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センター活動報告

H30年度 アースサポーター出前講座実施報告

2019/3/8(金)

福井県地球温暖化防止活動推進センター
(NPO法人エコプランふくい)

1. H30年度の派遣概要

H30年度の派遣は全24件(受講者数651人)でした。
派遣先は、子ども向け単発募集の企画が12件、小学校が9件、学童クラブ等の恒常的な場が2件、大人対象が1件でした。派遣エリアは、嶺北が中心となっており、福井市と坂井市、大野市でそれぞれ5件ずつと、あわら市と勝山市・永平寺町が それぞれ2件ずつ、越前市、鯖江市などが続きます。嶺南は、敦賀市の1件のみでした。

詳細な報告書はこちら

 

H29年度 アースサポーター出前講座実施報告

2018/2/23(金)

福井県地球温暖化防止活動推進センター
(NPO法人エコプランふくい)


1. H29年度の派遣概要

H29年度の派遣は全29件で、目標25件を上回りました。派遣先は、小学校が15件、学童クラブ等の恒常的な場が9件、単発募集の企画が4件、大人対象が1件でした。なお、小学校は、授業の一環として実施されたものとPTAや地域と一体となった行事等に分かれます。
派遣エリアは、嶺北が中心となっており、福井市が13件と最も多く、ついで坂井市とあわら市が4件、越前市、勝山市などが続きます。嶺南は、おおい町の1件のみで、派遣依頼が大変少ない状況です。
講座内容は、自然エネルギー教室のソーラーUFOが9件と最も多く、ストップ!温暖化講座が8件、絵本・紙芝居が7件となっています。今年の傾向としては、地球温暖化の現状と課題、今後について基礎知識から行動変容を促すワークまで一貫して学ぶことのできるストップ!温暖化講座が増加傾向にあり、小学校の授業としての派遣依頼が増えたことが特徴です。
3年生以上が対象のソーラーUFO、風車発電、炭焼き教室など自然エネルギー教室は、夏休みの行事や放課後活動に実施されることが多く、4年生以上のストップ!温暖化講座は、小学校の授業として実施されることが多くなっています。特に、総合学習や理科・社会の学習と関連づけて実施される傾向にあります。一方、低学年向けの絵本・紙芝居は、学童クラブ等からの派遣依頼が多く、自然エネルギー教室同様、夏休みの実施が多い傾向にあります。
なお、派遣講師は、研修を受けて知識とスキルを身につけたアースサポーターが原則2名の組み合わせで対応しています。2名で実施することで、互いの得手不得手を補い合い、高め合うだけでなく、プログラムの時間管理の徹底、終了後の反省点の共有などをめざしています。
また、派遣先では、学校教諭、児童館等の指導員、PTA関係者、行事の開催関係者、地域のボランティアなど様々な人々から、学習サポートをいただいています。


2. 評価の概要

講座終了後に、講師と主催者それぞれに提出していただく報告書では、「1.打合せ・講座の趣旨・達成目標の共有化・準備物の確認」「2.参加者の主体的学び(プログラムの工夫・対話・教材の活用)」「3.これからの行動意識(地球温暖化防止に貢献したいと感じられたか)」の3項目について評価を実施しています。
それぞれの評価結果は図4〜6の通りで、横軸の1〜29は派遣番号です。これを見ると、講師、主催者双方の評価の類似、相違などがわかります。図7は、図4〜6の全体平均を抜粋し、図式化したものです。全体として、「打合せ」の評価は高く、講座の趣旨や準備物、役割分担等の打ち合わせが十分行われていることがわかります。これに対し、「参加者の学び」「これからの行動意識」がやや低い傾向を示しており、自由記述の文章からも、実際の講座での反省点や改善点がうかがえるとともに、これからの行動にどこまでつながるかという点で課題が残されていることがわかります。

 

3. 講座別の特徴

派遣回数が多かった自然エネルギー教室のソーラーUFO、ストップ!温暖化講座、絵本・紙芝居の3つについて特徴を比較することで課題を抽出します。
まず、主催者の評価を見ると、「打ち合わせ」については3講座とも類似しており高い傾向にありますが、「参加者の学び」「これからの行動意識」の評価は、ソーラーUFOで低い傾向を示し、特に、「これからの行動意識」については3.5ポイントとなっています。講師の評価でも、「これからの行動意識」の評価が低く、「参加者の主体的学び」の評価に比べても低い結果となっています。
絵本・紙芝居では、「参加者の主体的学び」「これからの行動意識」ともに講師の評価が低くなっており、それぞれ3.4ポイント、3.3ポイントでした。しかしながら、これらに関する主催者評価が高いことが特徴です。
一方、ストップ!温暖化講座では、「これからの行動意識」に関して、講師、主催者いずれの評価も高く、特に、講師の評価が他の2講座や全体平均に比べて高いことが特徴となっています。
以上のことは、図11〜12からも読み取ることができ、ストップ!温暖化講座は、「参加者の学び」「これからの行動意識」について講師、主催者ともに評価が高い一方、ソーラーUFOでは特に「これからの行動意識」について講師、主催者ともに低いことが確認できます。絵本・紙芝居は、これら2項目について、講師の評価が低い一方で、主催者の評価が高いことが特徴です。

 

4. 講座別の課題

1)ソーラーUFO等の自然エネルギー教室

上記の背景や原因を自由記述より分析すると、ソーラーUFO等の自然エネルギー教室では、1地球温暖化について考えるよりも工作が主催者の主たる目的になっている場合があること、2限られた時間の中で細かい工作指導をしなければならないため、じっくりと温暖化について扱う余裕が少ないこと、3対象外の低学年が混ざる場合があり、工作指導や温暖化の説明が難しいこと、4夏休みの活動や課外活動が多く、じっくりと考え意見を言う授業と違って、楽しく体験することが優先されていることなどが考えられます。また、「温暖化に関する話の難易度がやや高かった」「話が少し長かった」といった主催者側の意見もありました。
しかしながら、講師の記述からは、限られたプログラムの中で参加者と対話をして意見を引き出しながら努力している様子がわかり、「いろいろな場面で子どもたちに質問して答えを導いていた」「子どもたちの質問に丁寧に答えていた」等の主催者の感想からも、そのことがうかがえます。
講師の反省点としては、「ソーラーUFOと温暖化対策との関係についてもっと丁寧に説明した方がよい」という意見もあげられています。また、主催者からは、「時間に余裕があったので、温暖化防止に向けたこれからの具体的な行動について、こども白書の絵を見ながらもっと解説があってもよかった」「一方的な話になっていた」といった意見も出されました。
自然エネルギー教室は、自然エネルギーについて学ぶことを主眼としており、温暖化の理解や「これからの行動意識」につながりにくい傾向を示していることから、温暖化に関する対話の充実、工作と温暖化防止の関係性についての論理展開、これからできることについて考える時間の確保、対象学年についての主催者の理解促進など改善が期待されます。

2)絵本・紙芝居

低学年対象の絵本・紙芝居では、「参加者の主体的学び」「これからの行動意識」の主催者評価が高いにも関わらず講師の評価が低くなっています。その原因を分析すると、低学年に対して地球温暖化の理解や問題意識をもたらすことの難しさ、これからの行動につなげていくことの難しさ、集中力の持続性などに関する記述が見受けられました。また、夏休みや学校のふりかえ休日の活動の中での開放感なども要因と推察できます。さらに、低学年にはワークシートやふりかえりシートの記述が難しかった様子もうかがえます。
一方、登場人物になりきった絵本の演出、絵本だけでなく動画・ワークシート・模型・ぬいぐるみ等を用いた様々な場面展開、講師の手づくりの教材やプレゼント、低学年の子どもたちに接する丁寧な対話など、主催者の評価は高く、講師の努力が伝わった様子が推察できます。
講師の「やらされている感じより自発的に行動できるよう、楽しさや明るさ、声のトーンなどに気をつけた」「子どもたちともっと関係性を作ることができるとよかった」等の意見も今後参考になると考えられます。また、「特に1年生は書くことに時間がかかるため、時間設定が少し短かったのでは」「終了後でもがんばって書こうとする子もいました」等の主催者の意見も、プログラムを検討する上で重要と考えられます。
絵本・紙芝居は、低学年向けの貴重な講座です。わかりやすい教材を使うことで、低学年から温暖化問題に触れることのできる機会となります。学校での高学年の授業と違って、知識を正確に伝えたり、意見を出し合ったり、文章でまとめることは難しいと思われるため、低学年の興味や感受性に合わせた教材を用いながら、ゆったりした時間の中で感じ、考える体験を提供することがこれからも期待されます。ただし、1年生と3年生の学力差は大きく、3年生では論理的思考力、表現力、発表力なども成長してきます。対象学年に合ったプログラムを組むことでより効果的な結果が導き出されると考えられます。
今年度は、1年〜6年の混合の講座もありました。縦割りで上級生がリーダーシップをとりながら充実した時間を過ごした様子がわかり、対象者に合わせた組み立ての工夫が伝わってきました。

3)ストップ!温暖化講座

ストップ!温暖化講座は、総合学習、理科や社会など学校の授業との関連で派遣依頼が行われることが多く、事前学習をしている場合や出前講座をもとに次の学習に進むなど、一貫した流れに位置づけられることが少なくありません。担当教諭が特定の目的や授業テーマを持たれていることもあり、意向に沿った出前講座が期待されています。
このような背景の下、事前打ち合わせで、講師と主催者が相談することで、授業の位置づけ、特に重視してほしいポイントなどを確認している様子が打合せシートから伝わってきます。そして、本講座は、温暖化の現状と課題、今後についてなど温暖化防止に向けて総合的に扱う最もベーシックかつ深まりを持たせることができる講座であるため、プログラムや教材も工夫しやすく、副読本も活用でき、ふりかえりシートもしっかり書くことができるなど効果につながりやすい講座となっています。
そのため、活発なグループワークや積極的な意見発表も多く、ふりかえりシートにも、具体的な感想や意見が多数表現され、今後の行動につながる内容が書かれてあり、成果が明確です。学校によっては、その後の取り組みとして夏休みに家庭で実践することをホームワークにしたり、行政との連携で節電コンテストにつなげたりする例もあり、家庭での実践に直結する充実した講座となっています。
しかし、プログラムや教材が盛りだくさんで、もう少しじっくりと考える時間があるとよいという意見も若干みられ、与えられた時間の中で、詰め込み過ぎず、落ち着いて取り組める流れを工夫する余地が残されています。


報告書

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